紙文化が根強い日本のビジネス社会では、まだまだペーパーレス化が進んでいない企業が多いです。
IT企業など、ペーパーレス化が進んでいる企業も中にはありますが、
まだまだ特定の業種・企業に限られているのが現状で、紙文化から脱却できていません。
デジタル化が促進されている今、最も取り組みやすい活動の1つはペーパーレス化です。
ペーパーレス化は、取り組んだことが明確に数値として現れてくるので、効果もわかりやすいです。
まずはペーパーレス化を検討してみてね!
デジタル化で「ペーパーレス化」をする理由
簡単にいうと、ペーパーレス化が進めば、以下の削減が期待できるからです。
- 紙を物理的に受け渡しする手間
- 紙が手元に届くまでの待ち時間
- 紙の印刷費用
理由①:紙を物理的に受け渡しする手間を減らすため
在宅勤務・テレワークなどでも問題になりましたが、紙中心で業務がまわっていた職場では、どうしても出社する必要があり、出社しないとできない業務があったりします。
- 書面への押印
- 申請書類(紙)の提出/受付など
申請書は「PDF」などの電子データはNGで、「紙」である必要があったりと、社内ルールで決められているところもあります。
紙に振り回されて、書面への押印や申請書の提出/受付のためだけに出社するというのは、ちょっとスマートではないですよね。
- 電子押印
- 電子データでの申請
- 電子データでの受付
こういったことができれば、紙の物理的な受け渡しは不要になります。
こうしたペーパーレス化が今、求められています。
理由②:紙が手元に届くまでの待ち時間を減らすため
ペーパーレス化が必要なもう1つの理由は、見積書などの紙が手元に届くまでの待ち時間を減らすためです。
というのも、どこかの企業に見積もりを依頼した場合、紙で提出してくる企業が大半です。
中には社内ルールで「見積書=紙」と決められている場合もありますが、それは独自ルール。法律で決められているわけではありません。
見積書が紙で送られてくる場合、以下のどちらかで提出されることが多いかと思います。
- 郵送
- 営業担当者から手渡し
取引先の郵送手続きから自社での受け取りまで、少なくとも2〜3日はかかってしまいます。
営業担当者の移動時間や受取日時の調整などで、それなりに手間です。
ましてや、見積依頼者が出張やテレワークなどで会社に不在の場合は、都合がわるいですよね…。
見積依頼者がほしいのは「紙」ではなくて、見積の内容です。
見積書が「PDF」などでデータ化されていれば、それこそメールに添付して送ってもらえればそれで要件は完了です。
こうした紙が手元に届くまでの待ち時間を不要にするためにも、ペーパーレス化が必要です。
理由③:印刷費用を減らすため
会議や打ち合わせなどで、出席人数分の資料を紙に印刷していませんか?
プレゼンや報告書などの資料を日々人数分印刷していたら、それこそ印刷費用は高くついてしまいます。
「どうせ」という言い方はしたくありませんが、おそらく会議や打ち合わせが終わった後には、ゴミ箱行きです。
または、シュレッダーをかけて廃棄するのは見え見えです。
紙1枚の費用は大したことはないですが「塵も積もれば〜」で、年間でみるとそれなりの費用になっていることがしばしば。
一度、自社の印刷費用を確認してみてください。きっと結構な費用がかかっているはずですよ。
印刷費用を削減するためにも、やはりペーパーレス化は必須です。
デジタル化の「ペーパーレス化」の効果はどうやって測る?
ペーパーレス化で最も効果がわかりやすいのは、印刷費用の削減です。
極端な話、現状の印刷費用がわかっていて、今後の印刷数をゼロにすれば、
それだけで印刷費用の削減効果は、明確に測ることができます。
ペーパーレス化による印刷費用の削減効果(例)
例えば、印刷費用が年間100万円かかっていて、ペーパーレス化で印刷数をゼロにできたとしましょう。
これだけで、今後ずっと年間100万円の削減効果です。
10年続けば1,000万円です。
わかりやすいですよね。
ただ、これは理想の話。
現実的には印刷数をゼロにするのは難しいので、なるべく「印刷数を減らそう!」というのが趣旨です。
印刷費用の内訳は?
印刷費用の内訳としては、主に次の3つです。
- 印刷機のレンタル/リース
- インク/トナー
- コピー用紙
印刷機のレンタル/リース費用
複合機やプリンターなど、印刷機はレンタル/リースしている企業が多いと思いますが、いかがでしょうか?
たいてい1台ではなく、3台とか印刷機を複数台レンタル/リースしている企業が多いと思います。
印刷数を減らすことができれば、印刷機の利用頻度も減り、結果的にレンタル/リースする台数を減らすことができますよね。
印刷機は使っていなくても、レンタル/リース費用が毎月固定費としてかかるので、軽視はできません。
インク/トナー・コピー用紙の購入費用
印刷機のインクやトナー、コピー用紙の購入費用は、印刷機の使用量に比例して増えていきます。
例えば、印刷数を10%削減するだけで、これらの費用をざっくり10%削減できます。
中でも意外と知られていないですが、インクやトナーは結構な値段がします。
トナーの価格相場は1本あたり3~7万円くらい。
意外とばかにできないです。
デジタル化で、ペーパーレス化を進める方法
ペーパーレスは、別にデジタル化ではなくても、意識するだけで今日からできます。
まずそれが1つ。
そして、本格的にデジタル化でペーパーレスを進めるために「ワークフローシステム」を活用する方法
この2つを紹介します。
①ペーパーレス化は意識するだけでできる!
ペーパーレス化を進めるにあたって意識すべきことは、とにかく「印刷しない!」を徹底することです。
まず、何かしら報告やプレゼンするにあたって印刷する機会があっても、まずは「印刷しない」で試してみてください。
ただし、1回の試行ではNGですよ。
人はこれまで通りのやり方を好み、変化を嫌います。
まず、ほとんどの人が「印刷しろ!」と要求してきます。
ですが、鬼の心で何回か試してしてみてください。乗り切ってみてください。
3回ほど試してみると、本当の必要性がわかってくるはずです。
- 本当に必要であれば、今後も印刷する。
- 必要なければ、今後は印刷しない。
- 必要な人が少数の場合は、各自で印刷してもらう。
こういったことを繰り返していけば、少しずつ印刷数は減っていき、結果的に印刷費用を削減することができます。
②ワークフローシステムを活用したペーパーレス化
本格的にデジタル化で「ペーパーレス」を進めていくなら、ワークフローシステムを活用するのが有効です。
WordやExcelで作られた申請書に入力し、印刷し、押印し、申請先に提出。
現状こうしたやり方をしている企業が多いと思います。役所とかでもそうですよね。
これがワークフロー化できれば、
Web画面に必要事項を入力し、承認者を設定し、申請Go!
これだけです。
印刷が不要になるだけでなく、承認行為もついているので、申請自体がめちゃくちゃ簡単になります。
ワークフローシステムは探せばたくさん製品化されていますが、以下が有名どころですね。
- ジョブカンワークフロー
- Create!Webフロー
実際に利用するには「初期費用」や「ランニング費用」がかかってきます。
長い目で費用対効果を確認し、効果があると試算できれば、ぜひワークフローシステムを活用してみてください。
まとめ
今回は、デジタル化で最も取り組みやすい活動の1つに「ペーパーレス化」を紹介をしました。
ペーパーレス化は、取り組んだことが数値に現れてくるので、効果も明確にわかります。
「デジタル化で何をしよう?」と悩んでいる方、まだ「ペーパーレス化」に取り組んでない方は、ぜひこの機会に取り組んでみてはいかがでしょうか?