コンビニやスーパーなどの店舗の多くは、レジ会計はクレジットカード払いに対応しているかと思います。
クレジットカードだけでなく「デビットカード」もそうですが、店舗運営されている方は、お客さんに自分でカード操作するようお願いしていますよね?
これは次のような理由からだと思います。
- 情報漏洩、不正利用などのセキュリティ対策
- 新型コロナウイルスの感染予防対策(非接触)
上記①は2018年4月に経済産業省が公開した「改正割賦販売法」によるものですが、上記②は、2020年以降の新型コロナの影響で全国的に「非接触」が推奨されているからですね。
これまではお客さんがレジ会計時に「店員にクレジットカードを渡せばOK」だったわけですが、今はほぼ
お客さんが自分でクレジットカードを自分で操作する
こういった形が多いかと思います。
ただ、この操作方法に慣れないお客さん、自分でカード操作するには違和感を感じるお客さんも少なからずいます。
もちろんレジも、お客さん自身がカード操作しやすい形に少しずつ対応してきています。しかし、まだまだ操作しづらいのは否めません…。
- どうすればもっと楽に、お客さんが自分でクレジットカードを操作できるようになるのでしょうか?
- カード操作が楽になれば、お店にはどんなメリットがあるのでしょうか?
今回は、お客さんが自分でクレジットカードを楽に操作できるよう、改善ポイントを3つ解説していきます。
お客さんが自分でクレジットカード操作しにくい現状
クレジットカードを自分で操作するには、次の3つタイプがあります。
- カードを差し込むタイプ
- カードを通すタイプ(スライド)
- カードをかざすタイプ
どれもよく見かけるものですよね。
カードをかざすタイプはお客さんが自分で操作するには楽なのですが、「カードを差し込むタイプ」や「カードを通すタイプ」では、ちょっと操作しづらいです。
- カード決済端末のカード差込口が店員側にある
- カード決済端末が軽く、可動式
お客さんが自分でクレジットカードを操作しにくい主な原因は上記2つです。
①カード決済端末のカード差込口が店員側にある
まず、カード決済端末のカード差込口が店員側にあるので、お客さんがカードを差し込む場合に不便です。
よく店員がカード決済端末のカード差込口をお客さんの向きに変えることがあるかと思いますが、これってだれも得しませんよね。
店員側も手間ですし、短時間ですがお客さんもその時間が惜しいです。
②カード決済端末が軽く、可動式
カード決済端末がレジに固定されていない可動式のもので軽いもの、これはある意味使い勝手がよくありません。
というのも、お客さんが自分でカードを差し込んだり、カードを通したりする時にカード決済端末が動いてしまうからです。
つまり、両手を使わないとカードを差し込めない。カードを通せない。
これがお客さんにとって不便というわけです。お客さんの多くは手ぶらではなく、片手にバックや荷物を持っていることがほどんど。
カード操作のために両手を使うとなると、片手に持っている荷物を地面に置いたり、腕や肩にかけたりといった動作が必要ですよね。
これって地味に不便です。
たまに店員がカード決済端末を動かないように手でおさえてくれたりしますが、店員にとっても手間なのでこれも「誰得?」となります。
カード決済端末が使いにくいと発生するこれだけのロス
レジ店員とお客さんとの会計時のやりとりで、例えば10秒くらいロスが発生したとします。
ここでのロスは、本来なら必要のない時間のことを示します。店員がカード決済端末の向きを変えたり、端末を動かないようおさえたりする時間。お客さんが端末の操作方法を理解するのに要する時間などです。
店舗に平均1,000人/日のお客さんが来店し、クレジットカードで支払いされた場合を考えます。
そうすると、下式のとおりで1日に約2.8時間もロスが発生していることになります。
10秒 × 1,000人/日 = 10,000秒/日( ≒ 2.8時間)
経営センスを磨きたいなら、ここは絶対に無視できないです。
- 1日で、2.8時間
- 1ヶ月で、84時間(2.8時間×30日)
- 1年で、1,008時間
1年でみると、1,008時間ものロスが発生していることになります。
わかりやすいよう「時給1,000円」で換算すると、約100万円相当のロスが発生していることになります。
1回の会計でたった10秒だからといって軽視できないですよね。
お客さんが楽に自分でカード操作するには?【改善策】
改善策としては、次の3つです。
- カード差込口がお客さん側にあるカード決済端末に変える
- カード決済端末がカード操作で動かないよう固定する
- カード操作をお客さんにわかりやすくする
①カード差込口がお客さん側にあるカード決済端末に変える
カード決済端末のカード差込口が店員側にあるなら、カード差込口がお客さん側にあるカード決済端末に変えましょう。
そうすれば会計の度に、店員がカード決済端末の向きを変える必要がなくなります。
お客さんに「カードをこちらに差し込んでください」とだけ告げる方をよく見かけますが、店員だけでなく店舗全体の印象が悪くなるので、来客数を減らしたくなければ気をつけた方がいいです。
レジとの相性で簡単には交換できない場合もありますが、もしお使いのレジが古い場合はこの機会に新しくしてしまった方がいいかもしれません。
ちなみに、あるコンビニでは既に「お客さんが自分でクレジットカード支払操作をしてもらう」ことを前提としたレジ一体型カード決済端末が導入されています。
しかし、端末の位置が高すぎてお客さんの視界に入りにくい、操作しにくいといった別の問題があります。こちらは「UI/UX」の面でもう少し改善が必要かと思います。
②カード決済端末がカード操作で動かないよう固定する
カード決済端末が可動式で、軽くてカードを差し込む際に動いてしまう場合は、カード決済端末を動かないように固定しましょう。
方法はなんでもOKです。端末の底に両面テープを貼って動かないよう固定するのでも良し、滑り止めシートを端末の底に敷くのでもOK!
たったこれだけでカード決済端末が動きにくくなるので、片手でもクレジットカードを端末に差し込むことができるようになります。
③カード操作をお客さんにわかりやすくする
お客さんはクレジットカードで支払う際、クレジットカードを店員に渡すことがほとんどです。
店員側からすると「自分で操作してよ」と毎回思うかもですが、これは店舗側の都合のよい主張です。
店員が何も言わなくても、当然のように、お客さんにカード支払操作をして欲しかったら、その行動を促すよう操作方法をわかりやすく掲示すべきです。
- クレジットカードでの支払いはこちら
- クレジットカードでの支払手順はこちら
こういった掲示をお客さんの視界に入りやすく、わかりやすくすることがポイント。
また、会計で並んでいる人がその待ち時間でクレジットカードの支払手順を理解できるように、掲示を大きくするのもポイントです。
こうすることで店員とお客さんとの会計のやりとりはスムーズになりますよ。
余談ですが
レジ周りには、会計時にお客さんの目に触れた商品を「ついで」に購入してほしいからいう狙いで、いろんな商品を置いてあることが多いです。
ただし、レジ周りにモノが多すぎるとごちゃごちゃして、掲示物をお客さんに見てもらうという点では逆効果。
どちらを優先すべきかは店舗運営者の判断ですが、あまり欲は出しすぎず、お客さんが便利になる方を優先した方がいいかと思います。
まとめ
今回は、お客さんが自分でクレジットカードを楽に操作できるよう、改善ポイントを3つ解説しました。
たった10秒が年間100万円のロス、5年続けば500万円のロス…。
改善するなら早い方が絶対にいいです。
今回はレジ周りの話でしたが、他を探せばもっと改善できることはあるはずです。
お客さんが便利になれば、必ずお店側にもメリットがあるので少しずつ改善を進めていきましょう!