ITパスポートに無理なく合格したいなら、正答率60%を目指しましょう。
そのためには「絶対に正答すべき問題/捨てても良い問題」を取捨選択することが必要です。
といっても、ITパスポートで「捨てても良い問題」とは具体的にどんな問題なのかイメージがつきませんよね。
そこで今回は、いくつか捨て問題をピックアップしてみたので、こちらを紹介していきます。題材はITパスポート令和2年10月の過去問です。
この記事はITパスポート900点の僕がまとめています。この記事を読めば、実際にどんな問題を捨てていいのかが明確になるので、ぜひ最後までご覧ください。
ちなみに、僕は次の情報処理技術者試験にも合格しています。
- 情報セキュリティマネジメント
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
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ITパスポートで捨てても良い問題とは?
ITパスポートで捨てる問題は、主に「計算問題」です。
試験に出題される計算問題の数は年度によってばらつきますが、令和2年10月度のITパスポート試験では、計算問題が全部で8問ほど出題されていました。
100問中8問なので、最悪すべての計算問題を捨てたとしてもITパスポートには合格できます。
とはいえ、最初からすべての計算問題を捨てるのは少しもったいないです。
そこで、令和2年10月のITパスポート試験で900点とった僕が捨てても良いと思う計算問題に順位づけをしてみました。※できれば第5〜8位は正答したいところです。
それでは早速みていきましょう!
【第1位】ITパスポートで本当に捨てても良い問題
令和2年10月 問62
10進数155を2進数で表したものはどれか。
【選択肢】
ア:10011011
イ:10110011
ウ:11001101
エ:11011001
この問題はパッと見で、捨てても良いと判断してOKな問題です。
僕はこの手の問題はいつも捨てています。選択肢からテキトーに答えを選んで、運良く正答できていたらラッキー的な。
ただ、解き方を知っていれば簡単な問題です。
この問題の解き方
具体的には、次のように「155」を「2」で繰り返し割っていきます。
2)155
2) 77 ・・・1 ←余り
2) 38 ・・・1
2) 19 ・・・0
2) 9 ・・・1
2) 4 ・・・1
2) 2 ・・・0
2) 1 ・・・0
0 ・・・1 ↑上にたどっていく
そして、その余りを下から上にたどっていけば答えはみえてきます。
こんな感じ。
1→0→0→1→1→0→1→1
ということで、答えは「ア」です。
もし解き方の記憶があいまいだったり、必要以上に計算に時間をとってしまうなら、この問題は捨ててもいいと思います。
変な話ですが、僕は捨てています。
【第2位】ITパスポートで捨てても良い問題①
令和2年10月 問97
公開鍵暗号方式では、暗号化のための鍵と復号のための鍵が必要となる。4人が相互に通信内容を暗号化して送りたい場合は、全部で8個の鍵が必要である。このうち、非公開にする鍵は何個か。
【選択肢】
ア:1
イ:2
ウ:4
エ:6
この問題を読んで「公開鍵?非公開鍵?暗号鍵?復号鍵?」となる方は、この問題は捨ててもOKです。さくっと選択肢から答えを選んで次の問題に進みましょう。捨て問です。
【第3位】ITパスポートで捨てても良い問題②
令和2年10月 問95
伝送速度が20Mbps(ビット/秒)、伝送効率が80%である通信回線において、1Gバイトのデータを伝送するのに掛かる時間は何秒か。ここで、1Gバイト=10^3Mバイトとする。
【選択肢】
ア:0.625
イ:50
ウ:62.5
エ:500
この問題を解くには「1バイト=8ビット」であることを知っていないと正答は難しいかもです。なので、これを知らない方にとっては捨ててもいい問題です。
この問題の解き方
まず、ビットをバイトに変換していきます。
「1バイト=8ビット」なので、1バイトは1/8ビットになります。
※bpsはbits per secondの略です。
伝送速度=20M(ビット/秒)
伝送量 =20×1/8M(バイト/秒)
伝送効率80%なので、
伝送量 =20×1/8M(バイト/秒) ×80%
1Gバイト(=10^3Mバイト)のデータを伝送するのに掛かる時間をT秒とすると
10^3M(バイト)=20×1/8M(バイト/秒) ×80% ×T秒
これを解くと、T=500秒
つまり、答えは「エ」になります。
もしこの問題を解くのに時間が多くかかってしまったり、難しいと感じるなら捨ててもいいかと思います。
【第4位】ITパスポートで捨てても良い問題③
令和2年10月 問72
2台のPCから一つのファイルを並行して更新した。ファイル中のデータnに対する処理が①~④の順に行われたとき、データnは最後にどの値になるか。ここで、データnの初期値は10であった。
【選択肢】
ア:5
イ:10
ウ:12
エ:17
この問題はデータ処理の流れを問うていますが、試験時間に追われて焦っていると内容がなかなか頭に入ってこない、または誤認識してしまう場合があります。
なので、この問題は時間に余裕がなかったり、気持ちが焦っているなら捨てても問題ないかと思います。
とはいえ、この手の問題は順を正確に追っていけば簡単に解ける問題です。
この問題の解き方
1つずつ処理の順を追っていきましょう。
- 初期状態では、n=10です。
- 処理①を実施した後は、PCーAの結果Naは、Na=5になります。
(初期値である10から5を引いた値です) - 処理②を実施した後は、PCーBの結果Nbは、Nb=17になります。
(初期値である10に7を足した値です) - 処理③を実施した後は、n=Na=5になります。
- しかし、処理④を実施した後は、n=Nb=17に変わります。
ということで、答えは「エ」です。
ポイントは次の2つですので、ここを正確に理解しておきましょう。
- 処理②で読み込んだnは初期値であること(処理①の結果ではないこと)
- 処理④でnの値は上書きされること(処理③の結果ではないこと)
【第5位】ITパスポートで捨てても良いかも問題
令和2年10月 問55
図の工程の最短所要日数及び最長所要日数は何日か。
この問題は、ある条件を知っていれば簡単に解ける問題です。
ですが、その「ある条件」を知らない方にとっては難しい問題となりますので、この問題は捨ててもいいかもしれません。
この問題の解き方
この問題は「最短所要日数」と「最長所要日数」の意味をよく考えれば解ける問題です。
ポイントはいくら作業Cが早く終わっても、作業Aと作業Bが終わらなければ工程は完了しないという点です。
つまり、作業Cは最短70日で終わりますが、作業Aと作業Bはどんなに早くてもそれぞれ最短で30日、50日かかり合計80日必要です。
なので、最短所要日数=80日になります。
逆に、作業Aと作業Bはどんなに長くかかってもそれぞれ最長で35日、60日かかり合計95日です。
ただ、作業Cは最長100日必要なので、最長所要日数=100日になります。
ということで、答え「エ」です。
【第6位】ITパスポートで捨てなくて良いかも問題
令和2年10月 問71
表計算ソフトを用いて、ワークシートに示す各商品の月別売上額データを用いた計算を行う。セルE2に式”条件付個数(B2:D2,>15000)”を入力した後、セル E3 と E4 に複写したとき、セル E4 に表示される値はどれか。
試験時間に余裕がない場合は、この問題は捨ててもいいかもしれません。
というのも、状況を把握するのに少し時間を要するかもしれないからです。
しかし、問題をよく読めば確実に正答できる問題です。
表計算ソフトというのは「 Excel」と思ってOK。
学生だと宿題やレポート作成などで使うかと思いますが、社会人になると、ビジネスで欠かせないソフトになるので、なるべく正答しておきたい問題です。
この問題の解き方
この問題のポイントは、セルE2の式”条件付個数(B2:D2,>15000)”の意味を理解しているかどうかです。
結論からいうと、セルE2には、商品Aの売上15,000円超えが1月〜3月の間に何回あったのか、その結果が入ります。
セルE4に複写された場合は、商品Aではなく商品Cの結果が入ります。
表を見ると、商品Cは「2月」と「3月」の2つが売上15,000円超えです。
つまり、答えは「ウ」です。
どうでしょうか?
問題をよく読めば正答できそうですよね。
【第7位】ITパスポートで捨てなくてOKな問題
令和2年10月 問33
インターネット上で通信販売を行っているA社は、販売促進策として他社が発行するメールマガジンに自社商品Yの広告を出すことにした。広告は、メールマガジンの購読者が広告中のURLをクリックすると、その商品ページが表示される仕組みになっている。この販売促進策の前提を表のとおりとしたとき、この販売促進策での収支がマイナスとならないようにするためには、商品Yの販売価格は少なくとも何円以上である必要があるか。ここで、購入者による商品Yの購入は1人1個に限定されるものとする。また、他のコストは考えないものとする。
パッと見、問題文が長いので抵抗がありますが、実はそんなに難しい問題ではありません。
問題をよく読めば正答できる可能性が高いので、あえて問題を捨てなくてもOKですよ。
この問題の解き方
まず商品Yを購入する人数を求めていきます。
メールマガジンの購読者数が100,000人で、広告中のURLをクリックする割合が2%なので、
広告中のURLをクリックする人数=100,000×2%=2,000人
その内、商品Yを購入する割合は10%なので、
商品Yを購入する人数=2,000×10%=200人
ここで、商品Yの販売価格をX円とすると、商品Yの原価は1,000なので、商品Y1個の利益は(Xー1,000)円
つまり、(Xー1,000)円×200人が収入です。
支出は200,000円なので、販売促進策での収支がマイナスとならないようにするためには、
(Xー1,000)円×200人 ≧ 200,000円
これを解くと「X ≧ 2000円」なので、答えは「エ」となります。
【第8位】ITパスポートで捨てる必要がない問題
令和2年10月 問43
あるコールセンタでは、顧客からの電話による問合せに対応するオペレータを支援するシステムとして、顧客とオペレータの会話の音声を認識し、顧客の問合せに対する回答の候補をオペレータのPCの画面に表示するAIを導入した。1日の対応件数は1,000件であり、問合せ内容によって二つのグループA、Bに分けた。AI導入前後の各グループの対応件数、対応時間が表のとおりであるとき、AI導入後に、1日分の1,000件に対応する時間は何%短縮できたか。
こちらの問題も問題をよく読めば比較的簡単に正答できてしまう問題なので、捨てる必要はありません。
できるだけ正答したい問題です。
この問題の解き方
まず着目したいのが、AI導入前後の対応件数と対応時間の変化です。
対応件数について
グループAとB共に500件で、変化なし。
対応件数に変化がないので、対応時間の変化だけを考えればOK
対応時間について
・グループA:AI導入前で全体の80%、導入後で30%短縮。
・グループB:AI導入前で全体の20%、導入後は変化なし。
これを図で考えると簡単です。
図解のとおりで、短縮時間は24%(=80% × 30%)
答えは(エ)となります。
まとめ
今回はITパスポートで「捨てても良い問題」について紹介してきました。
いかがでしたか?
正直、ITパスポートはそんなに難しい試験ではありませんが、IT未経験の人からすると難しく感じるかもしれません。
ただ、満点を目指す必要はありませんよ。
ITパスポートに無理なく合格したいなら、正答率60%を目指せばOKです。
そのためには今回紹介した「捨てても良い問題」を参考にしつつ、解ける問題をしっかり正答することが必要です。過去問をしっかりと勉強しましょう!
そうすれば必ずITパスポート合格に近づけますよ。