僕は「応用情報技術者試験」に合格していますが「ITパスポート試験」は受けたことがありません。
ITパスポートがどれくらいの難易度なのか正直わからなかったので、試しにITパスポートの過去問(CBT方式)を解いてみました。
ノー勉強で過去問を解いてみたのですが、結果はどうなったのか???
今回は、応用情報技術者試験合格者が、ノー勉強でITパスポートの過去問を解いてみたら、
- 何点とれるのか?
- 時間はどれくらいかかるのか?
こちらについて解説していこうと思います。
※決して自慢とかではなく「応用情報技術者試験合格者ならノー勉強でもITパスポート試験はこれくらい得点できる、逆にこれくらいしか得点できないのか?」といった視点で、ある意味、娯楽または参考として楽しんでいただければ幸いです。
ちなみに、僕は以下の情報処理技術者試験に合格しています。
- 情報セキュリティマネジメント
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
ITパスポート過去問を解いてみた→得点は?
結論からいうと、ITパスポートの過去問は910点でした。かろうじて9割正解できたという感じ。
※過去問に選んだのは「ITパスポート試験 令和2年度 10月分)」です。
「応用技術者試験に合格しているのに満点じゃないのかよ!」とツッコミが入るかもですが、すみません、僕はそんなに大したことないです。
結局、満点をとるには過去問を使ってしっかり試験勉強をすることが大切です。
(ITパスポート合格を目指すなら、別に満点をとる必要はなく、600点とれたらOKです)
僕のITパスポートの過去問解答にかかった時間は…
過去問の解答にかかった時間は90分でした。
実際の試験時間は120分なので、30分ほど短時間で解けたという感じです。
※本番試験では、できるだけ多く正答するために時間があまったら、解答の見直しに時間を使いましょう。
【補足】ITパスポート過去問の得点計算について
※ここでは得点計算を簡単にするため、1問10点で計算します。
ITパスポートは全100問、1,000点満点となっているので、単純に1問10点と思うかもしれません。しかし、IPAの試験要綱(ver1.7)によると、
出題数 100 問のうち、総合評価は 92 問で行い、残りの 8 問は今後出題する問題を評価するために使われる。
引用:IPAの試験要綱
上記のように明記されており、厳密には1問10点ではありません。ただ、ここでは得点計算を簡単にするため「1問10点」で計算しています。
ITパスポートの分野について
ITパスポート試験は3つの分野で構成されており、各分野の問題数は次のとおりです。
- ストラテジ系 :35問
- マネジメント系:20問
- テクノロジ系 :45問
※各分野の問題数は年によって変わる場合もあるので、あくまで参考としてください。上記の問題数は「ITパスポート試験 令和2年度 10月分)」を参考にしています。
問題数を比べてみると、テクノロジ系が1番目に多く、2番目にストラテジ系、そして最も問題数が少ないのがマネジメント系といった感じになっています。
ITパスポートでは、テクノロジ系に重点をおいていることが分かりますね。
さて、ITパスポートに3つの分野があることがわかったところで、ITパスポート過去問で分野別にどれくらい正答できたのか、もう少し深掘りしていきます。
ITパスポート過去問のストラテジ系分野の正答率は?
ストラテジ系分野の問題数は全部で35問あります。
僕はこの分野では3問、不正解という結果になりました。
正答率としては91%です。
分野別の合格ラインは30%なので、合格ラインは一応クリア。
所要時間は25分くらいでした。
補足です
ITパスポートは分野別に合格ラインが設けられており、単純に100問中60問正答できたら合格というわけではありません。
試験合格には各分野で3割以上正答する必要があります。つまり、偏りなく正答することが求められています。
ちなみに、どんな問題を間違えたのかというと、次の3問です。
問2:コンプライアンスに関する問題
企業が社会の信頼に応えていくために、法令を遵守することはもちろん、社会的規範などの基本的なルールに従って活動する、いわゆるコンプライアンスが求められている。a〜dのうち、コンプライアンスとして考慮しなければならないものだけを全て挙げたものはどれか。
a 交通ルールの遵守
b 公務員接待の禁止
c 自社の就業規則の遵守
d 他社の知的財産権の尊重
【選択肢】
ア:a, b, c
イ:a, b, c, d
ウ:a, c, d
エ:b, c, d
答え:(イ)a, b, c, d
僕はこの問題の解答を「エ」として間違えました。
aの交通ルールの遵守がなんとなく「コンプラか?」と思ったからです。
僕は小学生くらいに、自転車の交通ルールを学んだ記憶があるので、これはコンプラとして取り上げるものでなく、超基本的なものと思っていました。
しかし正解としては、交通ルールの遵守はコンプラに含まれるみたいです。勉強になりました。
問25:サイバーセキュリティに関する問題
サイバーセキュリティ基本法は、サイバーセキュリティに関する施策に関し、基本理念を定め、国や地方公共団体の責務などを定めた法律である。記述のa〜dのうち、この法律が国の基本的施策として定めているものだけを全て挙げたものはどれか。
a 国の行政機関等におけるサイバーセキュリティの確保
b サイバーセキュリティ関連産業の振興及び国際競争力の強化
c サイバーセキュリティ関連犯罪の取締り及び被害の拡大の防止
d サイバーセキュリティに係る人材の確保
【選択肢】
ア:a
イ:a, b
ウ:a, b, c
エ:a, b, c, d
答え:(エ)a, b, c, d
僕はこの問題を「ウ」と解答して間違えました。
「人材確保」という言葉が僕の頭にしっくりこなかったので…。
しかし、正解をみると上記a〜d全てが、サイバーセキュリティ基本法の施策として該当するんですね。勉強になります。
問28:IT用語に関する問題
新しい概念やアイディアの実証を目的とした、開発の前段階における検証を表す用語はどれか。
【選択肢】
ア:CRM、イ:KPI、ウ:PoC、エ:SLA
答え:(ウ)PoC
僕はこの問題を「ア」と解答し間違えました。
実は「KPIと「SLA」は知っていたので選択肢から除外していましたが、お恥ずかしい話で、僕は「CRM」と「PoC」の意味がわからなかったので、この2択で迷っていました。
結果的に誤った方を選択したのですが、答えはPoCだそうです。大変勉強になりました。
ちなみに、以下に他のIT用語の意味を少しだけ解説しておきます。
IT用語を少しだけ解説
CRMとは?
Customer Relationship Managementの略で、和訳すると「顧客関係管理」です。顧客との関係性を管理して、売上拡大・収益向上を目指す手法の1つです。
具体的には、メルマガとかポイントカードなどをイメージすると分かりやすいかと思います。
KPIとは?
Key Performance Indicatorの略で、和訳すると「重要業績評価指標」です。組織目標を達成する上で、達成度合いを定量的に表した指標のことです。
例えば、一人あたりの営業案件数100件/月、新卒離職率3%以下などがKPIに該当します。
SLAとは?
Service Level Agreementの略で、和訳すると「サービスレベル合意書」です。合意書といえば何となくイメージつく方もいるかもしれませんが「そのサービスがどの程度の品質を保証するか」を約束するものです。
例えば、サービスに障害が発生した場合の問い合わせは「365日24時間可能」とか、サーバーが故障したら「3時間以内に復旧可能」などです。
ITパスポート過去問のマネジメント系分野の正答率は?
マネジメント系分野の問題数は全20問です。
僕は2問不正解、正答率としては90%という結果になりました。
※解答にかかった時間は20分くらい。
こちらの分野も合格ラインは30%なので、合格ラインはクリアです。
マネジメント系分野ではどんな問題を間違えたのかというと、次の2問です。
問45:ITガバナンスに関する問題
ITガバナンスの説明として、最も適切なものはどれか。
【選択肢】
ア:企業が競争優位性構築を目的に、IT戦略の策定・実行をコントロールし、あるべき方向へ導く組織能力のこと
イ:事業のニーズを満たす良質のITサービスを実施すること
ウ:情報システムにまつわるリスクに対するコントロールが、適切に整備、運用されていることを第三者が評価すること
エ:情報セキュリティを確保、維持するために、技術的、物理的、人的、組織的な視点からの対策を、経営層を中心とした体制で組織的に行うこと
答え:(ア)
僕はこの問題を「エ」と解答して間違えました。最後の「組織的に行うこと」の文言だけをみて判断してしまいました。
「ガバナンス=統治」という意味なので、パッと目についた「組織」という単語で即断してしまった感じです。
よく見ると「ア」の選択肢にも「組織」という単語が使われていますね。文章をちゃんと読んでなかったことを反省します。
問52:内部統制に関する問題
情報システム部門が受注システム及び会計システムの開発・運用業務を実施している。受注システムの利用者は営業部門であり、会計システムの利用者は経理部門である。財務報告に係る内部統制に関する記述のうち、適切なものはどれか。
【選択肢】
ア:内部統制は会計システムに係る事項なので、営業部門は関与せず、経理部門と情報システム部門が関与する。
イ:内部統制は経理業務に係る事項なので、経理部門だけが関与する。
ウ:内部統制は財務諸表などの外部報告に影響を与える業務に係る事項なので、営業部門、経理部門、情報システム部門が関与する。
エ:内部統制は手作業に業務に係る事項なので、情報システム部門は関与せず、営業部門と経理部門が関与する。
答え:(ウ)
いよいよ解答数も50問を超え、後半戦にさしかかりました。ちょっと疲れが出てきたところで、長文の登場です。
先程の問45もあまり文章を読んでなかったのですが、この問題も…。
いえいえ、こちらはちゃんと読みました。けど、普通に間違えました。
この問題の僕の解答は「ア」です。
この問題のポイントは「内部統制に関与すべき部門はどれか?」という点です。
僕は経理部門と情報システム部門が関与するのは知っていましたが、まさか営業部門も関与するとは思いませんでした。またまた勉強になりました。
ITパスポート過去問のテクノロジ系分野の正答率は?
テクノロジ系分野の問題数は全45問です。
僕は4問不正解、正答率としては91%という結果になりました。
こちらの分野も合格ラインは30%なので、合格ラインはクリアです。
※所要時間は45分くらい。
テクノロジ系分野ではどんな問題を間違えたのかというと、次の4問です。
問59:補助記憶装置に関する問題
仮想記憶を利用したコンピュータで、主記憶と補助記憶の間で内容の入替えが頻繁に行われていることが原因で処理性能が低下していることが分かった。この処理性能が低下している原因を除去する対策として、最も適切なものはどれか。ここで、このコンピュータの演算記憶装置は1台だけである。
【選択肢】
ア:演算能力の高いCPUと交換する。
イ:仮想記憶の容量を増やす。
ウ:主記憶装置の容量を増やす。
エ:補助記憶装置を大きな容量の装置に交換する。
答え:(ウ)
僕はこの問題を「エ」と解答して間違えました。
主記憶装置というと長期間データを保存しているイメージがあったので「SSD」や「HDD」かなと思ったのですが、これは間違いでした。
調べてみると「HDD」や「SSD」は補助記憶装置に該当し、主記憶装置とは「メモリ」のことでした。お恥ずかしい話で、僕は逆に認識していました。
CPUから直接アクセスできるものが主記憶装置、つまり「メモリ」と覚えておけば良さそうです。
IT用語の説明
・主記憶装置=メモリ
・補助記憶装置=HDD、SSD
問62:10進数-2進数変換に関する問題
10進数155を2進数で表したものはどれか。
【選択肢】
ア:10011011
イ:10110011
ウ:11001101
エ:11011001
答え:(ア)
僕はこの問題を捨てました。なのでテキトーに解答しています。最初から正答する気はなく、運良く合ってたらラッキー的な感覚です。
正直この手の問題は苦手で、解法を覚えてもすぐに忘れてしまいます。強がりのように聞こえるかもですが、他で合格点は稼げているので、いつも気にせず次の問題に進んでいます。
問67:TCP/IPのポート番号に関する問題
TCP/IPにおけるポート番号によって識別されるものはどれか。
【選択肢】
ア:LANに接続されたコンピュータや通信機器のLANインターフェース
イ:インターネットなどのIPネットワークに接続したコンピュータや通信機器
ウ:コンピュータ上で動作している通信アプリケーション
エ:無線LANのネットワーク
答え:(ウ)
僕はこの問題を「イ」と解答して間違えました。
調べてみると、僕の解答は「IPアドレス」を説明したものでした。
うーんなんとも、僕はネットワーク系に弱いですね。
何となく「ネットワーク関係」の問題に苦手意識があったのですが、実際に不正解になってみて、あらためて僕はネットワーク問題に弱いということに気づきました。
今後はこの分野を鍛えようと思います。
後学のために調べてみました
ずばり、コンピュータを特定するにはIPアドレスを使い、さらにポート番号までわかればどのサービス(アプリ)を利用しているかを特定できると理解しておけばOKです。
IPアドレスは住所、ポート番号は部屋番号とよく例えられているので、このイメージを持っておくと良さそうです。
問88:無線LANに関する問題
無線LANに関する記述のうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a 使用する暗号化技術によって、伝送速度が決まる。
b 他の無線LANとの干渉が起こると、伝送速度が低下したり通信が不安定になったりする。
c 無線LANでTCP/IPの通信を行う場合、IPアドレスの代わりにESSIDが使われる。
【選択肢】
ア:a, b
イ:b
ウ:b, c
エ:c
答え:(イ)
いよいよ僕が間違えた問題の最後となりました。
僕はこの問題を「ア」と解答して間違えました。
何となくですが「暗号化技術によって伝送速度は変わるかな」と思ったためです。
しかし正解をみると、暗号化技術によって伝送速度は変わらないみたいです。
またまた勉強になりました。
まとめ
今回は、応用情報技術者試験合格者が、ノー勉強でITパスポートの過去問を解いてみたら
- 何点とれるのか?
- 時間はどれくらいかかるのか?
こちらについて紹介してきました。結果を以下の表にまとめました。
僕のITパスポート過去問の解答結果
問題数 | 正答数 | 正答率 | 得点 | 所要時間 | |
総合 | 100問 | 91問 | 91% | 910点 | 90分 |
ストラテジ分野 | 35問 | 32問 | 91% | – | 25分 |
マネジメント分野 | 20問 | 18問 | 90% | – | 20分 |
テクノロジ分野 | 45問 | 41問 | 91% | – | 45分 |
結果的に、各分野で9割正答できました。
ITパスポートの過去問を解いてみた感想については、別記事で紹介していますのでよかったら読んでみてください。